不妊治療→出産 in マニラ | 2023‐2024

フィリピン・マニラでの不妊治療の記録、そして体外受精で授かった赤ちゃんの出産までの経験を夫婦で綴ります。

【マニラで不妊治療】治療内容・費用 総まとめ

こんにちは、さくらです。

 

このブログでは、私たちのマニラでの不妊治療の記録を書き残してきましたが、この記事で一度まとめておこうと思います。治療の流れや費用の内訳などは、各記事に記載しているので、詳細はそちらをご確認いただければと思います。ブログを全部読むのは大変だと思うので、ここで治療や費用のおおまかな内容を記しておきます。

 

◆通院したクリニック

Kato Repro Biotech Center

マカティにある不妊治療専門クリニック。日本の加藤レディースクリニックと提携しています。私たちの通院時、日本人のドクターやスタッフさんはいませんでしたが、加藤レディースクリニックのWEBサイトが参考になったのと、フィリピン人看護師さんで簡単な日本語を少しだけ話せる方がいました。

 

◆治療内容

私たちが受けた治療は下記の2種類です。

① IUI(人工授精) ×2回

② Natural Cycle IVF(自然周期の体外受精) ×1回

 

◆費用総額 合計 P317,548

初回オンライン診察:P1,848

事前検査:P26,102

IUI 1回目:P28,621

IUI 2回目:P24,600

Natural Cycle IVF:P218,929(成功報酬 P150,000含む)

妊娠後~卒業までの検査:P17,448

※血液検査結果による再検査や、薬代などが含まれているので、あくまで私たちのケースとして参考にしてください。

 

◆全体を通して、この経験の感想

<さくら>

今まで健康に育ってきて、注射や採血でさえ苦手な私にとって、不妊治療のために自ら病院に行くということは、本当に勇気の要ることでした。日本で治療するのも不安だろうに、ましてここフィリピンという外国で、治療をせざるを得ないため、言語の壁もあり、余計に恐怖や不安がありました。私の場合、始めるときには、正直、子どもは授かればいてもいいし、授かることができなければいなくてもいいかな、というくらいの気持ちでした。ペットの猫を可愛がるやまとを見て、ただ漠然と、子どもがいたらもっと楽しいだろうなと考えていました。軽い気持ちで始めた不妊治療ですが、治療が進んでいき、毎月結果として陰性を突き付けられるのがきつかったです。治療中は何度もクリニックに通う必要があります。毎回お金もかかります。精神的にも、時間的にも、経済的にも、肉体的にも、身を削って治療に取り組んでいるのに、費やした労力に結果が伴わないとどんどん苦しくなってくるものです。軽い気持ちで始めたはずが、結構ストレスや執着が出てきて辛かったなと振り返ります。そして、不妊治療は、何回やれば成功するという保証もなく、終わりが見えない治療です。そして、私たちの場合は、あまりはっきりした原因がなかったので、そのモヤモヤもありました。いつか諦めるかもしれないと思うと、治療中であることを周りの人にも言いづらいと思います。孤独な道のりだなと思いました。

本当に幸運なことに、私たちはIVF 1回目で赤ちゃんを授かることができました。自然妊娠でも、不妊治療でも、やはり妊娠って奇跡なんだということが分かりました。恥ずかしながら、30代半ばにして、妊娠や女性の身体のことについて、初めて知ったことばかりでした。卵子ができるか、卵管が通っているか、精子と出会えるか、子宮内膜の厚さが十分か、着床できるか、細胞分裂が進むか、たーーくさんの要素が絡み合っていて、赤ちゃんができることを不妊治療を通じて学びました。そして、それを医学的にサポートして、少しでも可能性を上げることができるのが、本当に素晴らしいことだと思います。

ドクターはいつも親切で、私たち外国人にも分かりやすく丁寧に説明してくれました。専門クリニックで毎日たくさんの患者さんを治療しているため、処置も手早く、信頼できました。過程は辛いことも多く、何度も涙を流しましたが、勇気を出して不妊治療をして、こうして赤ちゃんを授かることができて、本当に良かったです。治療は、女性側の負担が圧倒的に大きいですが、「そんな簡単にうまくいかないだろう」「ダメでも落ち込まないで」という期待値低めのやまとのスタンスに助けられたと思います。

このブログを読んでくださっている方は、おそらくこれからマニラで不妊治療をしようと考えている方、もしくは治療中の方かと思います。人それぞれ、原因が違えば、治療の道のりも違うと思いますが、どうか皆さんの元にも奇跡が起きることを願っています。

 

<やまと>

幸いなことに、結果として妊娠することができて良かったと思います。

外国人という立場でフィリピンに住んでいる自分たちは、保険の適用が一切ないため、全額自己負担です。経済的にも正直相当大きな負担でしたが、自分の性分として運に身を任せて待つのは嫌で、科学の力で少しでも確率を上げられるなら、ということで決断に至りました。妊娠に至ること自体はたしかに生物の奇跡なのかもしれませんが、不妊治療という科学的アプローチによって、その成功確率は確実に上昇します。年齢や夫婦の体の状態から算定される成功確率を見て、「少なくとも数回トライすれば妊娠に至るだろう」と信じて毎回臨んでいました。改めて振り返ってみると、30代前半という不妊治療者の中ではまだ若めの年齢で開始に踏み切る決断が功を奏したのかもしれません。

これまで不妊治療は自分の生活とは一切無縁で、しかも世の中のごく一部の人が最後の望みとして取り組むものだと勝手に考えていました。ただ今回の不妊治療の経験を通じて、大きく見え方が変わったと実感しています。また、自分から不妊治療に取り組んでいることを周りに告白してみると、驚くほど多くの人が「実は私も...」と話してくれて、実際には本当に多くの方々が不妊治療に取り組み、悩んだり苦しんだりしてるんだなと感じました。特にフィリピンでの日本人の不妊治療は、あまりにもサンプル数が少なく情報も不足しており、二の足を踏んでいる方も多いと思います。そんな方々に少しでも参考になれば、ということで始めた本ブログですが、成功という結果だけでなくそのプロセスも含めて最後までお伝えできたことを大変嬉しく思います。

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これまでブログを読んでくださってありがとうございました。私たちの不妊治療記はここまでですが、ここからは第2章として、妊娠・出産記がスタートします。引き続き、異国の地フィリピンで出産するという経験を記録していきますので、もし興味がありましたら見守っていただければと思います。

 

追記:2024年夏、元気な赤ちゃんが生まれました。